私たち人類は、地上に登場した二十万年前から植物と共存してきました。
今日まで人類が繁栄してきたことは素晴らしいことですが、それは植物も同じこと。
植物の賢い生存戦略があったからこそ、自然淘汰によって絶滅することなく生き延びてきたのですね。
地球上の生物は「人間–他の動物–植物–無生物」と序列されることが多く、植物は口がきけず動きもしないことから、「私たちの世界の調度品」という扱いを受けてきました。
しかし、数十年前に、植物は感覚をそなえていること、複雑な社会関係を作り上げていること、植物同士や動物との間でコミュニケーションを取れることが、科学研究によって明らかにされています。
そこで今回は、そんな植物の驚くべきパワーをご紹介します!
置かれた場所で生きなければならないからこそ、植物は力を蓄えている
人間や動物には移動手段としての足があり、骨格や筋肉も発達しているため、生きるためによりよい環境に移動したり、食べ物を求めて棲み家を変えたりします。
一方、植物は光合成という手段をもつため、エサを求めて移動する必要はありません。
しかし、地に足が着いて動けないため、天候などの変化や敵(植物を食べる動物や病原菌など)に襲われたときに自らを守らなければなりません。
植物の生存戦略
では、植物は一体どのように身を守っているのでしょうか?
例えば下記のようなものがあげられます。
乾燥が激しいときに、根から水分を吸い上げ、葉から蒸散させて湿度を高める
物理的手段としてバラのトゲなどが存在する
成長に影響を与える磁場や重力を感知する
空気中や地中に含まれている化学物質を、数メートル離れていても感知・測定し、栄養素を知覚するとその方向に向きを変え、鉛、カドミウム、クロムなど汚染物質を識別すると根はできるだけ遠ざかる
紫外線による細胞へのダメージから身を守るためにフィトケミカル成分を生合成する
揮発性の精油を漂わせることで、環境を浄化したり、害虫を遠ざけたりする
自分の親族と他者を区別し、昆虫に襲われると、ある種の揮発性物質を揮発して、親族の植物に防護を呼びかける。昆虫が去ると、警報は解除される。
脳、心臓、肺、胃などの個々の器官が存在せず、必要以上のモジュール(部品)が集まってできているので、動物に身体の一部を奪われても生き延びられる
いかがでしょうか?
植物は環境変化に適応する能力に優れ、自らを守るためのさまざまな生存戦略をとっているといえますね!
人間がお花を見て「美しい」と思うのも、植物が人間を操って、自分たちが世界に広がっていく手伝いをさせるための植物の戦略ではないか、という仮説もあるそうです!
植物の知性や強かに生きる姿を知ると、いつも何気なく触れている植物が、よりパワーを秘めたものだと感じるようになるのではないでしょうか。 新しいチャレンジをしたいときに、それぞれの植物がもつストーリーに思いを馳せてみることで、きっとたくさんの勇気や自分を信じる力をチャージできるでしょう!
Maya
【参考文献】
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